ナナオサカキというビート詩人の詩に次のような詩がある。コロナになり、普通であったことが普通でなくなり、普通と思っていた事が奇蹟であることに気付く。空気や風、水、太陽など、私たちが生まれた時から普通にまわりにあったもの。これらのどれ一つが欠けても私たちは生きられない。また、生命という存在自体が奇蹟であることに気付く。人間の生命も、植物の生命も、命あるものはすべて循環するようにつくられている。この絶妙なバランスが崩れる時に文明が滅びるのだ。今、このバランスが崩れようとしているのであれば、私たちはそれを整えなければならないのだ。崩しまくってしまったバランスを、重心を見つけて整えなければならない。
「奇蹟」
空気
風
水
太陽
は
奇蹟
駒鳥の歌
奇蹟
ミヤマオダマキの花
奇蹟
どこから 来たのでもなく
どこへ 行くのでもなく
君は
ほほえむ
奇蹟
1987・6
リオ グランデを
ゴムボートで下る
「ナナオサカキ詩集 地球B」より